「94歳のドン」が潰す戸田建設

病床の順之助名誉会長に生え抜き役員は金縛り。三菱東京UFJが取締役と監査役を送り込み、銀行管理に移行。

2013年8月号 BUSINESS [「カリスマ支配」のなれの果て]

  • はてなブックマークに追加

準大手ゼネコン・ナンバーワンの戸田建設には2人のドンがいた。戸田順之助、守二という創業家の兄弟だ。今年6月12日、弟の守二が90歳で死去した。守二は日本土木工業協会と建築業協会の元会長。戸田建設に土木部門を創設した土木部門のドンとして16年間、戸田建設の社長を務めたが、その守二も、兄の順之助には頭が上がらなかった。順之助は、戸田建設の社長・会長を46年間も務めたカリスマ。現在94歳の高齢だが、名誉会長に退いたいまも、「経営方針や幹部人事などの重要案件はオーナーの順之助氏のお墨付きが欠かせない」(同社関係者)という。順之助のことを社内では「オーナー」「トップ」と呼んでいる。だが「両雄並び立たず」。経営方針や役員人事などを巡り、兄弟の意見はしばしば対立した。そして勝者は常に兄だった。

「すべてオーナー任せ」の無責任体質

2007年、日経新聞が『戸田建設社長に戸田守道副社長』と報じた人事情報 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。