2013年7月号 POLITICS
鉄砲伝来の地、鹿児島県種子島の西方12キロ、東シナ海に浮かぶ馬毛島。本誌も何度か取り上げたこのいわくつきの島は、防衛省にとって今でも喉に刺さった小骨のような存在だが、それがまた疼きはじめた。FCLP(空母艦載機離着陸訓練)の有力候補地であるこの島に、今度持ち上がったのは中国企業への身売り話。しかも、中国企業との橋渡しをしているとされるのが、かつて丸石自転車の架空増資事件で逮捕されたブローカーという“怪しい筋”なのだ。まったくの詐欺話なら、防衛省も無視すればいいだけだが、そうでないところに防衛省の悩ましさがある。ブローカーの名は紙屋道雄。本誌12年6月号の記事(「元祖『資本のハイエナ』松尾隆に捜査のメス」)では、11年に経営破綻したジャスダック上場(当時)の不動産会社、セイクレストの水増し増資事件を報じている。その記事で紙屋は「天成ホールディングス顧 ………
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