2013年7月号 連載 [監査役 最後の一線 第27回]
国際会計基準(IFRS)の適用問題がようやく前進し始めた。民主党政権下で自見庄三郎金融相が突然「先送り」を表明して以来、時間だけを浪費してきたが、政権交代で金融庁も腹を括ったようだ。日本経済新聞は5月28日付の朝刊1面で「国際会計基準の強制適用、当面見送りへ 金融庁」という記事を掲載した。「企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)が7月にもまとめる報告書に強制適用の時期を明記しない」と書いていたが、これは本質を突いていない。自見氏が追加選任したIFRS反対派が多数を占める審議会では毎回、ただただ声高に反対論を叫ぶ委員が“大活躍”するばかり。国際的に通用する会計基準の決定という国益を大きく左右する問題で、日本がどう国際的な立場を保っていくのかという戦略的な議論はほとんどなかった。強制適用の時期を盛り込んだ報告書など、もともと出るはずもないのだ。だが反対派 ………
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