「税金泥棒島」と化す南鳥島の嘘

東大チームが発見したレアアース泥の商業化は机上の空論。血税が海底に沈んでいく。

2013年6月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

国民の目が届かない遠い海の底に、巨額の血税が沈められようとしている。4月26日、政府は今後5年間の海洋政策の指針となる「海洋基本計画」を閣議決定した。日本の周辺海域に眠るメタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥など海底資源の開発を加速する。だが、深さ数百~数千メートルの海底は暗黒、高水圧、低水温の過酷な環境。石油と天然ガスを除けば採掘技術は確立しておらず、コスト面でも陸上鉱山に太刀打ちできない。商業ベースの開発は世界的に見ても進んでいないのが実態だ。そんななか、政府は海底資源開発を「新たな産業を創出する成長戦略」と位置付け、官民一体で2023年度以降の商業化を目指すとぶち上げた。5月8日付の日本経済新聞によれば、予算は基幹技術の研究開発費だけで数千億円に上る見通しだ。膨大な税金を投じて採掘に成功しても、採算ベースに乗らなければ無駄遣いに終わ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。