矛盾だらけの首都圏鉄道「二重運賃」

2013年6月号 BUSINESS

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JR東日本の冨田哲郎社長が、来年4月の消費税率8%への引き上げに伴い、現行の10円刻みの首都圏鉄道運賃をカード型IC乗車券「Suica(スイカ)」に限って1円刻みにする計画を表明した。1円単位で引き落とせるスイカの機能を生かせば、増税分をきめ細かく転嫁でき、さらなる消費税率引き上げにも対応しやすくなるという。首都圏の私鉄各社などの「PASMO(パスモ)」も歩調を合わせる方向だ。切符の運賃は従来通り10円刻みとなり、ICカードと切符の運賃が異なる「二重運賃」が生じる。冨田社長は「(利用者に)どう納得してもらうか」と述べているが、本当に心配なのは数円の運賃改定が薮蛇になって、矛盾だらけの首都圏の運賃制度を見直せ、という声が出ることだろう。券売機に1円玉が使えないため、鉄道運賃は過去の消費増税時には10円未満を切り上げたり切り下げたりして10円単位にして、トータルで消費 ………

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