「ロシアの春」でなく「目覚め」

代償にNGOなど急進派の締め付け強化。「大ユーラシア」の戦略的バランスに変化も。

2013年6月号 GLOBAL

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ロシアは2011年末以降、「ロシアの目覚め」と呼ばれる新たな時代に突入した。ロシア国民は過去20年近く内に籠もっていたが、少数の人々の行動に誘発され、最近まで政治家や官僚が完全に支配していた分野でも声をあげ始めている。ロシアが「目覚める」ことができたのは、内戦に陥ることなく旧ソ連時代の残滓から比較的うまく抜け出し、これまで経験したことのない大きな自由と繁栄を手に入れたからだ。だが、そうした社会の変化を「ロシアの春」と勘違いしてはならない。まして、既存の支配体制が終焉に向かうにはほど遠い。「目覚め」は進歩主義者や自由主義者から国家主義者、そして原理主義者まで、ロシア社会の隅々に広がっている。彼らの多くは政治的あるいはイデオロギー的な結びつきはなく、一部の人々はキリスト教正統派であれイスラム教徒であれ、宗教的な結束を強めている。ロシア政府はこうし ………

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