オリンパス「復帰」吹っ飛ぶ時限爆弾

巨額の賠償訴訟に加え、工場監査が不適切とされたら、欧州で製品が売れなくなる。

2013年5月号 BUSINESS

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4月11日午前11時、東京地方裁判所601号法廷で、オリンパスを被告とする民事訴訟の口頭弁論が開かれた。原告は都内在住の個人投資家で、巨額の損害賠償請求の陰に隠れてあまり知られていないが、株主総会での決議取り消しを求める内容で、株主総会での説明に虚偽の内容が含まれていることを証明し、役員の選任をはじめとする決議を覆してしまうのが目的だ。原告はオリンパスの泣きどころである英ジャイラス「のれん代」問題を鋭く突いている。「のれん代が適切に計上されておらず、オリンパスの元役員は株主総会で虚偽の説明をした」と主張。ある大学院大学の教授もその意見書で「のれん代は定められた償却が行われていない」「500億円前後の金額は、不正に財務諸表に計上されている可能性が高い」と指摘している。

「改竄」で存亡の危機

筆者も意見書を読んだが、論旨は明快かつ堅牢だ。被告側の弁護団がタジタジになったの ………

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