コメさえ危ういTPP対策本部

首相の手柄になるはずが、例外5品目の獲得は絶望的。日本にとって最悪のシナリオも。

2013年5月号 POLITICS

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環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に臨む政府のTPP対策本部(本部長・甘利明TPP担当相)が発足した。安倍晋三首相は、交渉力を発揮して国益を守ると意気込むが、タフな米通商代表部(USTR)に立ち向かう「日本版USTR」と胸は張れない。看板倒れが懸念され、過大な期待は禁物だろう。「ようやく、対外交渉と国内調整で優秀な2人を事務方トップとする体制ができた。日本の国益をしっかりと踏まえ、最大限の力を発揮したい」首相官邸向かいの内閣府本府4階。4月5日、真新しい「TPP政府対策本部」の看板を掛けた甘利氏は抱負を述べた。首相がオバマ大統領との日米首脳会談で「聖域なき関税撤廃が前提でない」と確認したことを踏まえ、3月15日にTPP交渉参加を表明してから約3週間。対策本部立ち上げが少しもたついたためか、甘利氏は安堵感も隠せない様子だった。

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