パナソニック「長栄会長」抜擢の真相

会長の座を狙った創業家の松下正幸副会長。その画策を封じ込めた「仰天人事」の裏側。

2013年5月号 DEEP

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2期連続で7500億円を超える最終赤字を計上するパナソニックが3月28日、2016年3月期までの中期経営3カ年計画を発表した。テレビや半導体など5つの事業で赤字を解消し、営業利益で13年3月期見込みの2.5倍となる3500億円以上を稼ぎ出す目標を掲げた。空虚な数値目標はさておき、耳目を集めたのは、続投するはずの大坪文雄会長が突如、特別顧問に退くという仰天人事だった。パナの社長は交代すると、会長に座るのが慣例だ。大坪は社長任期の最終年度である12年3月期に巨額最終赤字を出した。本来なら経営責任を問われるところだが、現社長の津賀一宏を後継指名し、慣例にしたがって自らは会長に就いた。「どれだけ厚顔無恥なんや」当然ながら、パナのOBなどから「大坪批判」が半ば公然と噴出した。1年後の「異例の退任」は、OBらの反発に耐え切れなくなった大坪と、その後見人である相談役の中村邦夫が、事 ………

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