「0増5減」でお目こぼしは甘い。参院全選挙区訴訟で73議員が来年は「無効」か。
2013年5月号 POLITICS
ついに「イチジクの葉」がハラリと落ちた瞬間だった。3月25日、広島高裁(筏津(いかだつ)順子裁判長)は、昨年12月の第46回衆議院選挙における広島1区・2区の「一票の格差」は「違憲であり、選挙は無効」だと初の判断を下した。さらに翌26日にも広島高裁岡山支部(片野悟好(のりよし)裁判長)が、岡山2区で選挙無効の判決を言い渡した。本来、選挙が違憲ならば議員資格は取り消されるが、訴状の対象区だけ議員ゼロになって区割り改定で不利になるのは公益を著しく損なうという事情を汲み無効としない——このような「事情判決の法理」は、立法府と正面衝突を避け、政治の攻撃から司法権を守るという、ある意味で司法の知恵であり、狡猾とも言える判決だが、40年近くの時を経て今回乗り越えられた。出揃った判決のポイントをおさらいしよう。▼違憲か合憲か 判断は「一票の価値」を基準にするとされ、1 ………
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