黒田日銀の「ザ・マスター」

2013年5月号 連載 [いまここにある毒]

  • はてなブックマークに追加

太平洋戦争で心を病んだ水兵がカルトの教祖に魅せられ、疑似的な親子となって激烈な葛藤を繰り返す映画『ザ・マスター』は、現存する米国のカルトをモデルにしているという。自己啓発本とセラピーを組み合わせたこの団体、俳優トム・クルーズやジョン・トラボルタも信者といえば、ああ、あれかと心当たりの人もいるだろう。元SF作家が教祖で、多くの国が宗教団体と認めず、クルーズは05年にパリ市議会から名誉市民の称号を剥奪された。ハリウッドがよく映画にできたな、と思うのはこの団体の攻撃性だ。“商売敵”の精神医学を諸悪の根源とみなし、信者をスカウトすればカネを出すマルチ的手法、脱会を妨げる強権的手段や、批判者への訴訟攻勢が非難の的になった。敵対サイトには「行動を起こす」と声明、大量のスパムを送りつけたとされる。主演男優は「誰かをモデルにしたくなかった。父子または師弟の物 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービスです。年間定期購読をご契約の方は無料でご利用いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※ご利用いただけるサービスは購読コースにより異なります。詳しくはこちらをご覧ください)。