「発送電分離」電事連をムチ打つ経産省

業界盟主の東電の政治力が働かなくなった電事連。発送電分離で土俵を割り、料金値上げでもやられ放題。

2013年4月号 BUSINESS

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経済産業省の電力システム改革専門委員会が改革を3段階で進める報告書をまとめた。2015年に電力需給を広域で調整する機関を設立、16年には電力小売りの参入を全面自由化し、電力会社の発電部門と送電部門の分離を18~20年に実施する。同省は改革工程表を付則に盛り込んだ電気事業法改正案を今国会に提出する。2月15日、電気事業連合会会長の八木誠は記者会見で3段階の電力システム改革について触れた。広域系統運用機関の設立や小売りの全面自由化については「顧客の利益につながる」としたものの、発送電分離については「現時点で実現の見通しは大変厳しい」と語った。八木のホンネは「ほかはともかく発送電分離だけは勘弁してほしい」というものだが、「今さら何を言っても無理。完敗だ」と、電事連周辺は諦め顔だ。

稚拙すぎる「政界工作」

電力の自由化は経産省と電力業界が15年にわたって暗闘を繰り広げてきた懸案である ………

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