コソボに今も潜む恐怖の「臓器密売」網

90年代の紛争当時、「黄色い家」で行われた戦慄の手術。犯罪組織の首領がいまでは首相の座にいる?

2013年4月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

1998~99年に起きたコソボ紛争を覚えているだろうか。旧ユーゴスラビアのコソボ自治区で、多数派のアルバニア人と少数派のセルビア人が独立をめぐって武力抗争を繰り広げ、北大西洋条約機構(NATO)軍が介入した(2008年にコソボは独立を宣言した)。紛争当時はセルビア人民兵によるアルバニア人らの「民族浄化」ばかりクローズアップされたが、多くのセルビア人捕虜も臓器売買の犠牲になったとの告発が起きている。告発によると、数百人規模で拉致されたセルビア人が、コソボかアルバニアで殺されるか、生きたまま心臓や腎臓などを摘出され、その臓器がトルコの闇市場やイスラエル、一部欧州諸国で密売されたという。欧州の人権団体のほか、欧州評議会やセルビア当局、国連機関などが調査に乗り出した。この問題を最初に取り上げたのは、ハーグにある旧ユーゴ国際戦犯法廷で主任検事を務めたスイス人の ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。