「日韓協業へ」サムスンが高等戦術

100億円ははした金。鷹揚なサムスン「皇太子」。シャープは序の口。本命はどこか。

2013年4月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

シャープが韓国のサムスン電子と資本提携を結ぶことを決めた。サムスンの日本法人を引き受け先とする第三者割当増資を実施、発行済み株式の3.04%に当たる103億円の出資を受ける。液晶テレビを巡ってシャープとサムスンは世界市場で激しく競ってきた。シャープがかつての仇敵サムスンの軍門に下る姿ばかり強調されるが、事の本質はそれほど単純ではない。

サムスンの「深い読み」

最も注目すべきはサムスンの出資が100億円強にとどまる点である。兆円単位の利益を積み上げるサムスンにとって、100億円ははした金。その気になれば一息に呑み込める。にもかかわらず、なぜ少額出資にとどめたのか――。答えを出す前に、まずシャープの迷走を振り返ってみよう。2012年3月期の連結決算でシャープは3760億円の最終赤字を計上した。安定水準は最低でも2割といわれる自己資本比率は1割を割り込み、資本の充実とキャッシュフローの改善 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。