アルジェリア「聖戦士」首領の素顔

イナメナス襲撃を計画、行方をくらました男を追い、英国MI6長官はアルジェリアに飛んだ。

2013年3月号 GLOBAL

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片目しかない。もう一つの目はアフガニスタンで戦闘中に失われた。だから息子の名は、アル・カイダの最高指導者だった故オサマ・ビンラーディンと同じ名にした。この細面の男、モフタール・ベルモフタールは、サハラ砂漠に潜む寄せ集め兵たちに「砂漠のカリフ」と呼ばれている。腰には反り身の狩猟ナイフ、肩にはサブマシンガン、羊飼いの杖を使って石だらけの大地を闊歩する。部下の目には「砂漠のジハード(聖戦)戦士」のイメージそのものと映った。自己宣伝にも長けていた。西欧の「無信仰の十字軍戦士」を壊滅させ、シャリーア法(イスラム聖法)を広めるためにサハラ砂漠に来た、と主張していた。いつも傲岸不遜だったから、昨年9月にライバルのジハード戦士と砂漠の村の路上で銃撃戦になった。その相手が「イスラム・マグレブ諸国のアル・カイダ」(AQIM)の司令官アブ・ゼイドである。

事前に広がった襲撃の噂

このゼ ………

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