iPS実用化まず「病気解明」用

再生医療の「作る技術」より「使う技術」が先。創薬に寄与する国家戦略を。

2013年3月号 LIFE

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1月16日、東京会館で開催されたバイオ関連16団体の賀詞交歓会は再生医療の話題で持ちきりだった。来賓の自民党の細田博之幹事長代行、平将明経済産業大臣政務官は安倍政権が決めたばかりの10年で1100億円のiPS細胞助成を必死にアピールしていた。そんな会場内で、来場者と切れ目なく挨拶を交わしていたのは、京都大学の山中伸弥教授の研究グループの知的財産を管理するiPSアカデミアジャパン社長の村山昇作氏だ。日本のiPS細胞研究は勝てるか否か。そんな見通しを問われ村山氏は「山中教授はノーベル賞を取って地位は盤石となった。iPS細胞作製の基本的な特許も盤石。他の研究グループと比べて優位」と断言してみせた。

「作る」から「使う」へ

iPS細胞の関連技術には「iPS細胞を作る技術」と「iPS細胞を使う技術」があり、どちらもより効率的な手法を構築した者が勝つ。京大グループが盤石なのは前者の「作る技術」だ。ノー ………

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