ジキルとハイド「特許の邪鬼」

日本の草分け、名古屋の弁理士に懲戒処分請求。知財の隙間に咲く徒花か害虫か。

2013年2月号 BUSINESS

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「パテント・トロール」という言葉がある。パテントは特許。トロールは、北欧の伝説上の邪鬼。自らは製品の製造・販売を行わないのに、特許申請して保有、敵対的訴訟などを仕掛ける集団のことを言う。国内外で特許など知的財産(知財)の重要性が高まり「知的財産戦略大綱」が定められたのは、小泉純一郎政権下の2002年7月。知的財産高等裁判所などが整備されたが、パテント・トロールはまだ「得体の知れない妖怪」という位置づけだ。事例も少ない。07年1月、特許庁の幹部らが専門誌に寄稿した論文では「日本での深刻な懸念は認められない」となっており、理由は「有名な事件が1件のみ」だからだ。特許管理などを扱う弁理士設立の企業エイディシーテクノロジー(ADC)が03年、2画面携帯電話に関する特許を取得、ドコモなどを特許侵害で訴えたケースだ。結果はドコモの勝訴に終わったが、以来、ADCは日本 ………

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