米財政「次の崖」に1兆ドルコインの奇策

年初の合意は単なる先送り。政府の債務天井をたった1枚の巨額プラチナ「政府硬貨」でしのげるか。

2013年2月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

これぞ歌舞伎十八番、安宅の関での弁慶の勧進帳というべきだろうか。年末をまたぐ「財政の崖」をやり過ごしたものの、「政府債務の天井」という新たな関所に直面する米国で、とんだ奇策が取り沙汰されている。「額面1兆ドル」のプラチナ・コイン(白金硬貨)という。「贋金造り」じゃあるまいし、米財務省が円換算で90兆円近くの硬貨を発行するなどと聞けば、正月の悪い冗談とも思える。が、この「1兆ドル」コイン。米国の政府債務が法定上限を超え、政府が窓口閉鎖に追い込まれるような事態を回避するため、中央銀行券を刷るのに代わって巨額「政府貨幣」を鋳造しようという大真面目な話なのだ。ブッシュ減税の失効と歳出の強制削減が重なり、米経済を腰折れさせかねない「財政の崖」は、年末年始の与野党折衝でしのいだはずではなかったか。何で今ごろ大騒ぎするのか。が、問題は一向に解決していない ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。