安定政権へウイングを左に広げよ

安倍首相の顔が変わってきた。健康状態さえうまく管理できれば長期政権になりそうな予感がする。期待できるのは対ロ外交だ。

2013年2月号 POLITICS [特別寄稿]

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安倍晋三内閣、なかなかやるな、という印象である。羹(あつもの)に懲りて何とやらの慎重さと、「危機突破内閣」の題目にふさわしいスピード感がうまく配分されている。これでは褒めることの苦手なわが国のメディアは困ってしまうだろう。いつも通り「滑り出しは順調に見えるが、難問山積」という陳腐な表現で茶を濁している。潰瘍性大腸炎という難病を持つ安倍首相の健康状態さえうまく管理できれば、この政権は長期政権になりそうな予感がする。ただし、である。そのためには「主張する外交」であっても構わないが、実際の対応は柔軟にする。つまりタカ派イメージの政権がこれほど柔軟なのかと内外を驚かせるほどウイング(翼)を左に大きく広げることである。米中国交正常化はニクソン大統領、冷戦構造を壊したのはレーガン大統領、中曽根首相は靖国神社参拝を封じ、対中外交を成功に導いた。いずれ ………

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