丹羽中国大使を引きずり降ろし、主要大使を総入れ替え。権益奪還に汲々とする「小役人」がのさばるばかり。
2013年1月号 DEEP [保身と打算の外務官僚]
アメリカ、中国、韓国の駐在特命全権大使が11月、一斉に交代した。連動して行われた外務省の事務次官、政務・経済両外務審議官の交代とあわせ、日本外交は中枢の布陣を一新して難局に臨む。国難である。八方塞がりに近い。今年、中国、韓国との領土問題に火がついた。台湾も黙っていない。ロシアはすでに攻勢に出ている。頼みの米国とは、沖縄の米軍基地移転問題が膠着し、北朝鮮とはパイプが詰まったまま。気がつけば、日本は海を挟んだ隣国すべてと摩擦を生じている。どの問題も戦後処理や歴史認識が絡むサンフランシスコ講和体制の問い直しをはらんでいるから、火種は60年前からあったのだが、冷戦が終わって20年経ち、日本内政の弱体・混乱を見透かして、周辺国が一斉に揺さぶりをかけてきた形勢だ。これを難局と言わずに何と呼ぼう。尖閣諸島国有化を口実にした中国の反日暴動は、政権内の権力闘争 ………
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