両当事者と米、エジプトの四者は勝者だが、パレスチナ自治政府と和平プロセスは敗者だ。
2013年1月号 GLOBAL
12年11月、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの間で繰り広げられた激しい戦闘は、同21日にエジプトの仲介で停戦が成立し、ひとまず決着した。今回の勝者はハマスとイスラエル、エジプト、米国の四者である。これに対しパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長と、「二国家共存」の和平プロセスは敗者に追いやられた。国連でパレスチナのオブザーバー資格が「国家」に格上げされても、アッバス議長が敗者であることには変わりない。その証拠に、イスラエルは格上げが決まるとすぐ報復措置として、欧米からも批判されているユダヤ人入植計画「E1」(ヨルダン西岸の入植地と東エルサレムをつなげ、西岸の一部は南北に分断される)はもちろん、東エルサレムへの新たな入植計画も打ち出した。
一方のハマスは、イスラエルとの衝突を切り抜けたため、中東で ………
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