個人の全ゲノム激安解析の衝撃

ガン、アルツから生活習慣病まで画期的な福音。山中伸弥教授のiPS細胞実用化に欠かせないのはあなたの全ゲノム解析だが、日本は「第三の敗戦」が迫る。

2013年1月号 BUSINESS [パーソナルゲノム革命]

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映画『マトリックス』のファンなら、ひょっとして覚えているかもしれない。主人公ネオを助ける女占い師の家には、ステンドグラスに意味ありげな言葉があった。グノーティ サウトン(汝自身を知れ)古代ギリシャのアポロン神殿が掲げていたという碑文だ。それを哲学の礎にしたのがソクラテスである。たかがSFの意匠と侮るなかれ。全人類がその「託宣」に直面する日が迫っている。

8千円、1時間で「汝自身を知れ」

誰もがソクラテスにはなれない。だが、自分の細胞すべてに内在するゲノム(遺伝子)全部を解読したらどうだろう。それも「汝自身」と言えないか。2011年10月5日、膵臓ガンで死んだアップル創業者のスティーブ・ジョブズは、摘出手術や肝移植の果てに、最後はガン細胞と正常細胞の全ゲノムを解析する検査を行った。異常増殖を起こす分子経路にピンポイントで作用する分子標的薬を投与する狙いだったが、当時10万ドル(約80 ………

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