儲からない原発事業を継続するため賭けに出た日立製作所。まるでドンキホーテだ。
2012年12月号 BUSINESS
日立製作所が10月下旬、イギリスの原子力発電事業会社「ホライズン」を6億7千万ポンド(約850億円)で買収すると発表した。ホライズンはドイツの電力大手、イーオンとRWEが2009年に共同出資で設立した会社。英国で原発を新設し、現地で発電事業を営む予定だったが、ドイツ政府の脱原発政策に従って今年3月に計画を白紙撤回。売り先を探していた。有力候補はほかにあった。東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)と仏アレバだ。WHは中国北部を地盤とする中国核工業集団、アレバは南部の中国広東核電集団とそれぞれ組み、買収を狙っていたが、中国政府をバックにした強敵2社を差し置いて日立に軍配が上がった。東電の福島原発事故で日本の原発メーカーに逆風が吹く。そんな中で2020年代前半までに英国で原発を4~6基新設し、稼働させる計画を持つホライズンを手中に収めた日立は、我が国初の原発輸出に成功 ………
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