「銭ゲバ」ベネッセに舐められた東京都

都の有料老人ホーム指針で無効になった「入居金の初期償却」を強行。こんな業界最大手をのさばらせるな!

2012年12月号 LIFE

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「それで、ゴールデンからは、いくらぐらい戻ってくるの?」「1700万円ぐらいだと思う」「ええっ、あれだけしかいなかったのに、1000万も消えちゃうの?」これは、今春刊行された水村美苗さんの小説『母の遺産――新聞小説』の冒頭場面である。ゴールデン・イヤーズという有料老人ホームに入居していた母が亡くなった直後、姉妹の奈津紀と美津紀が怒り、呆れている。「入居と同時に3割償却され、残りは7年間にわたって毎月均等に償却される」という仕組みを姉妹は知っている。入居金2700万円を支払い、母の入居期間はたった8カ月。作家の実体験に近い驚きが伝わってくる。著名作家の話題の小説に登場するほど、その理不尽な仕組みへの苛立ちが広がっているということだろう。小説の中の数字は現実である。「入居と同時に償却」は、業界で初期償却と呼ばれる。最大手のベネッセスタイルケアが、最近、新聞 ………

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