木を見るより森を見よ。政府・日銀の円高放置と政策的テコ入れが、自動車業界と明暗を分けた。
2012年12月号 BUSINESS
大手電機8社の2012年9月中間連結決算は悲惨だった。売上高はNECとソニーが微増と横ばいだったほかは、パナソニックが前年同期比マイナス9.2%、シャープが同16%など、6社とも目を覆わんばかりだ。これをマスコミは過去の過大な投資の失敗と断じ、経営トップの判断ミスと報じている。パナでは三洋電機の買収など中村邦夫-大坪文雄社長時代の投資判断の誤りとされ、決算短信で「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況」と書いたシャープも、堺工場建設や奥田隆司社長と片山幹雄会長の経営管理の甘さが指弾されている。ちょっと待ってほしい。確かにこうした経営学的な視点は重要で、人間模様が浮き彫りにされて読み物としても面白いが、企業内の半径1メートルの世界しかみえない。一企業を超えて業界全体、日本経済全体を眺望するには、経営学でなく経済学の手法を使うべき ………
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