10年で売り上げ半減の長期低落でモラルハザード。過酷なノルマをしのぐ「粉飾のDNA」が、日本を汚染した。
2012年11月号 COVER STORY [企業スキャン]
9月11日、東京のパレスホテルで日本IBMは創立75周年記念の「THINK Forum Japan」を開いた。本社会長のサミュエル・パルミサーノが講演に立ち、2002年にCEOになってから「一株当たり利益は5倍、1千億ドル以上の株主価値をもたらした」と胸を張りながら、自身の1990年代前半の東京勤務に触れ「私はIT業界のキャプテンではない。アイコン的なセレブCEOになろうとは思ったこともない」と述べた。気になる一言だった。
日本IBMの社員はさぞかし気まずい思いをしたろう。昨年の売上高(単独ベース)は8681億円と10年前の半分、純利益も272億円で3分の1である。「日本で自分を変革することの重要性を学んだ」というパルミサーノの言葉の裏に「劣等生の日本は何も学んでいない」という苛立ちがちらつく。しかもこのイベントに先立つ8月22日、日本IBM社長、会長を歴任した最高顧問、大歳卓麻(64)が、JR四ツ谷 ………
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