米欧巨大金融グループが震える「永久債リスク」

2012年10月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]

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リーマン・ショック後、世界は金融市場の混乱から抜け出せない。欧州債務問題は国債でさえもリスクがあることを明示した。危機が長引く中、米欧の巨大金融グループの間で、ある金融商品のリスクを懸念する声が高まっている。その名は「Perpetual
bond(永久債)」。満期がなく、発行体が永続的に利子を支払う債券だ。欧州系銀行の幹部は「多くの金融機関は永久債の保有状況を気にしながらも、自行の直接・間接保有額の精査を躊躇している」と語る。その様子は「HIV感染に思い当たる行いをした人が検査を怖くて受けられないのとソックリ」という。誤解を招く表現かも知れないが「まったく同じ思い」との声をよく聞く。なぜ、そんなに躊躇するのか。もともと永久債は英政府などが発行してきた。金融界が本当に恐れるのは、銀行グループ発行の永久劣後債。負債ではあるが、これまでのバーゼル規制では非中 ………

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