シリア化学兵器庫攻撃へ「同胞団」手引き

窮鼠猫を噛むか。いまやエジプト大統領を生んだ原理主義組織からの情報で、イスラエルが攻撃計画。

2012年10月号 GLOBAL

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エジプトの「ムスリム同胞団」は、1928年に小学校教師ハサン・バンナーがイスラム復興と西洋からの独立をめざして結成したイスラム原理主義組織である。草の根活動から始まって弾圧を耐え抜き、いまや同胞団出身のムハンマド・モルシーがエジプト大統領の座にあるという巨大な政治勢力にのしあがった。英対外諜報機関MI6と米中央情報局(CIA)、イスラエルの諜報機関モサドの3諜報機関は、共同で機密会議を開いて議論を重ねた末、この同胞団こそ、シリアで容赦ない弾圧を続けるバッシャール・アサド政権に対抗し、シリアが備蓄している化学兵器の処理で鍵を握る存在だとの見解に達した。化学兵器はアサドに残された最後のカード。シリア国内や周辺国に潜伏する反政府勢力を一気に殲滅しようと、掩蔽(えんぺい)壕からこの邪悪な毒を取り出し、ためらうことなく使う「窮鼠猫を噛む」事態になりかねない ………

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