2012年10月号 BUSINESS
公的資金の「完済計画」を発表したばかりのあおぞら銀行に、新銀行東京の買収観測が持ち上がっている。新銀行東京といえば、石原都知事の肝煎りで開業したものの、巨額の不良債権をこしらえて破綻寸前に陥った不肖銀行。ところが、あおぞら銀行にとって新銀行東京の買収は、完済計画のパズルを埋める「最後の1ピース」になっている。あおぞら銀行の完済計画は、銀行界からも驚きの声が上がるほど意外性のあるものだった。同行に残る公的資金2276億円は、優先株から普通株への強制転換が10月に予定されており、実施されると返済は絶望的になる。そこで一斉転換期日を10年延長し、今年度中に返済する227億円を差し引いた残りは「特別優先配当」として毎年205億円ずつ返済するという、株価水準に左右されない前代未聞の返済方法を打ち出したのだ。ただ、これだけでは優先株主に著しく有利な配当政策になる ………
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