調剤薬局「バブル」の不条理

あて外れ「医薬分業」。医師をいじめて薬局にインセンティブつけ過ぎの政策ミスを、厚労省は認めない。

2012年10月号 BUSINESS [医療費膨張のガン]

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門前市をなすというが、病院のそばに「調剤薬局」が林立している光景はどこでも見かける。人呼んで「門前薬局」。医師が出した処方箋に従って医薬品を処方する(実態は紙袋にパックするだけの)薬局が、なんでああまで繁盛しているのか。デフレのご時世でも、稀有なことに調剤薬局は右肩上がりで市場が拡大している。伸びは強烈で、1995年度に1兆2662億円だった薬局調剤医療費は2011年度に6兆5601億円まで激増した。コンビニエンスストアの4万4千店を大きく上回る5万3千店。16年間でこんなにはびこった業界などそうお目にかかれない。

医師も製薬会社も卸も四苦八苦

当然、調剤各社の業績も絶好調だ。最大手アインファーマシーズは売上高1427億9千万円、経常利益105億円(ともに12年4月期)と増収増益を実現、業界2位の日本調剤、同3位のクオールも過去最高益を更新した。高齢化によって今後も市場拡大が見込めるだけに、ドラッグス ………

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