全日空が「日航の大株主」の野望

全日空が突如、巨額の公募増資。日航再上場の株式を引き受け、安定株主になる目論見。

2012年9月号 BUSINESS

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7月11日。首相官邸に日本航空名誉会長、稲盛和夫の姿があった。民主党最大のパトロンが野田佳彦を訪ねたのは9月19日に予定されている日航の再上場を確実なものにするためだった。御大登場の直接的な原因はその5日前の6日にある。「再上場は航空局と内閣府、民主党の3者がグルになって作り上げた詐欺だ」。自民党航空問題プロジェクトチーム(PT)の会合に出席した参議院議員の西田昌司は国土交通省航空局長の長田太にそう噛み付いた。2009年の政権交代直後に表面化した日航の経営不安。民主党は会社更生法の適用を選択し、公的資金を注入した。さらに法人税を減免するなど日航の再生は多くの国民負担の上に成り立っている。その日航が12年3月期に公的支援を受けていない全日本空輸を上回る史上最高益を計上して再上場しようとしている。そんな馬鹿な話があるか――。西田が怒声を上げたゆえんである。西田 ………

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