排水計画に反発した1万人デモの真相は、共産党の腐敗と圧政に対する民衆の鬱憤晴らし。
2012年9月号 GLOBAL
7月28日早朝、江蘇省啓東(チートン)市の市庁舎を1万人を超えるデモ隊が取り囲み、一部が庁舎に乱入して占拠した。彼らは市政府幹部の執務室から高級酒、高級タバコ、コンドームなどを探し出し、「官吏は腐敗している」と叫びながら窓の外に投げ捨てた。さらに、警察車両など10台以上の公用車をひっくり返し、庁舎内のパソコンなどを破壊。啓東市トップの孫建華(スンジエンホワ)市党委員会書記はデモ隊の中に入って対話を試みたが、たちまち取り囲まれてワイシャツとメガネを剝ぎ取られ、上半身裸で逃げ出すという失態をさらした。デモの直接のきっかけは、日本の王子製紙が南通(ナントン)市の工業団地で建設している工場の排水計画である。この工場は啓東の中心部から70キロ以上離れているが、南通市政府が啓東の東部の黄海沿岸までパイプラインを建設し、1日60万トンを排水する予定だった。啓東 ………
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