プーチンは中国を警戒する

気になる北京の「上から目線」。ヴァルダイ会議報告書の「ニューアジア」論が物語る蜜月の終わり。

2012年9月号 GLOBAL [ロシアのアジアシフト]

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「中国はロシアの戦略的パートナーである。我々はすべての分野において相互利益と相互信頼、そして開かれた協力関係を享受している」5月にロシア大統領に正式に返り咲いたウラジーミル・プーチンは、6月5日に中国・北京で行われた胡錦涛国家主席との首脳会談後の記者会見でこう述べ、いつものように中国との戦略的パートナーシップ関係を高らかに喧伝した。ちょうど、翌6日から上海協力機構(SCO)首脳会議が北京で開催されるのに合わせた訪中だった。いずれにせよ、プーチン新政権発足早々のロ中首脳会談は、4月末にロシアと中国の海軍が黄海で大規模な合同軍事演習を実施していること、また、このところ米欧主導の国連安全保障理事会で対シリア制裁決議案に、ロシアと中国が相次いで拒否権を行使していることなどの事実とあいまって、ロ中関係は相変わらず蜜月との印象を世界に与えた。

大統領令の二つの注目点

ところが、 ………

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