財務も人材も枯渇。将来の「原発ゼロ」を前提にした原発事業の即時国有化しかない。
2012年9月号 BUSINESS
電力株の下落は底なしだ。昨年3月の福島原発事故で東京電力は破綻状態に追い込まれた。加えてその事故の影響で電力各社の原発再稼働が困難となり、代替火力発電の燃料費が膨らんで業績が急速に悪化。前期(2012年3月期)は原発を保有する電力9社のうち中国電力を除く8社の連結最終損益が赤字となり、東電の7816億円をはじめ関西電力が2422億円、東北電力が2319億円、九州電力が1663億円と4社が莫大な赤字を計上した。今期も流れは変わらない。第1四半期(4~6月期)を見ると、9社のうち北陸電力を除く8社が連結最終赤字。東電の2883億円を筆頭に九電の1009億円、関電の995億円と大赤字が続く。原発停止が続いた場合の電力9社の財務状況を政府が5月に予測した資料(内閣府「需給検証委員会」調べ)によると、「原発稼働ゼロ」が続くと電力9社の今期の単体最終損益は合計2兆6700億円の赤字になる。
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