捕らぬ狸の「スマートテレビ」

インターネットに呑みこまれるテレビ。「家電敗戦国」日本の救世主にはならない。

2012年9月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

サムスンなど海外勢との液晶戦争に敗れ、赤字の嵐に見舞われているシャープ、ソニー、パナソニックなど日本の家電メーカーの復権は、次世代型テレビ「スマートテレビ」で︱︱昨年あたりからそんな的外れの期待が盛り上がっている。テレビ進化史を彩るトリニトロンやハイビジョン、デジタルや液晶などのように、いかにもハードウェアで新機軸が誕生したかのようだが、とんでもない。スマートテレビとは新しい「サービスの仕組み」が入り込んでくることであり、インターネットがテレビを呑みこむことなのだ。「テレビ」という名のパッケージは姿を消し、単なるディスプレーとネット接続用の箱(STB、セット・トップ・ボックス)にアンバンドル(解体)されることにほかならない。海外に輸出して「家電大国ニッポンの夢よもう一度」などと夢にも思うなかれ。なぜなら、コンテンツはすべて、インターネット ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。