「究極のポピュリスト」小沢一郎の晩節

いささか老いた。選挙のための「駆け込み寺」の小沢新党には、かつてのオーラが感じられない。

2012年8月号 POLITICS [特別寄稿]

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政治を観察することを生業にして40年になる。その間、常に私の関心の中心にいて、いつもその正体について考えさせられてきたのが、小沢一郎であった。そしていまもなお、小沢について毎日のように考える。「君も政治記者としてこれからもずっとやっていくつもりなら、小沢一郎を知っておくべきだ。必ずや自民党の幹事長以上のポストにつく大物になることは間違いない。電話しておいてやるから、会ってみるがいい」といって未知の政治家小沢に会うことを熱心に勧めてくれたのは、父親同士が仲良しで、中高生のころからつきあいのある加藤紘一だった。そのころ小沢は自民党総務局長で、選挙を取り仕切っていた。1時間ほどだったろうか、小沢はぼそぼそと小声で答えるだけで、東北人同士の会話は途切れがちだった。何を話したのか、さっぱり記憶にない。加藤には「どこがすごい人なのかわからなかった」と ………

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