2012年8月号 BUSINESS
3・11はゼネコンの競争環境を大きく変えた。それまでゼネコンの最大の悩みは土木部門をどうするかだった。トンネルやダムに代表される土木分野は政権交代で市場縮小が加速した。小規模案件にもスーパーゼネコンから中堅まで数十社が群がり、技術力があっても年間のヒット率(入札件数のうち落札できた割合)は一桁が当たり前。各社の経営企画部門は「土木は事業計画が立てられない」と、半ば匙を投げていた。そこへ3・11の神風が吹いた。がれきの処理や原発の事故対応ができるのは土木屋しかいない。「コンクリートから人へ」を唱える民主党が天下を取り、食い詰めていた土木系ゼネコンは息を吹き返した。その代表格が飛島建設だ。震災前、飛島は度重なる経営危機に直面していた。民主党への政権交代は過去の不良債権問題と異なり、公共事業を糧とする国内土木のビジネスモデルを「餓死」させるに等しい ………
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