「大王・北越紀州」提携の深層

北越の岸本社長は、筆頭株主の三菱商事出身。大王を取り込む願ってもないチャンス。

2012年8月号 BUSINESS

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製紙業界4位の大王製紙と5位の北越紀州製紙が資本提携を結んだ。北越が大王の発行済み株式の約2割を取得し、筆頭株主に就く。「これ以上買い増しすることは考えていない」と北越紀州社長の岸本晢夫(せきお)は言うが、とまれ再編が続く製紙業界で王子製紙、日本製紙グループ本社に次ぐ「北越紀州―大王」という3位連合が誕生した。きっかけとなったのは大王創業家出身の3代目、井川意高(もとたか)である。小学生時代に地元愛媛県から毎週飛行機で東京の進学塾に通い、その甲斐あって筑波大学附属駒場中学校に入学。その後、東京大学法学部を卒業し、大王製紙に入社した。頭は良かったのだろうが、学生時代からせっせと銀座でカネを落とし、父親・高雄の経営する大王の入社式には真っ赤なスポーツカーで登場するなど「道楽息子」の武勇伝は数知れない。挙げ句の果てにはカジノに嵌り、子会社から約107 ………

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