金融庁が「詐称」を容認した学者

2012年8月号 連載 [監査役 最後の一線 第16回]

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「役所がまさか、そんなことを言ってくるとは思いませんでした」日本公認会計士協会の幹部は驚きを隠さない。海外在住のある学者が日本の公的機関に出入りする際、「公認会計士(日本)」という肩書きを勝手に使っていたという。これに対し協会が「会計士登録をしないで公認会計士を名乗るのは法律違反なのでやめるように」と通知したのだそうだ。すると、しばらくして協会を監督する立場にある金融庁の責任者(課長級)から「会計士試験には受かっているのだから、よいではないか」という“指導”がきたというのだ。確かに問題の学者は日本の会計士試験には合格しているが、現在、会計士登録はしておらず、法律で義務付けられている再教育プログラムの単位も取得していない。「会計士や弁護士などの専門家は資格が命。法律で厳しく管理されており、役所の胸先三寸で名乗っていいかどうかが決まる話ではな ………

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