2012年8月号 BUSINESS
予め効く患者と、効かない患者を選別してから投与する抗がん剤が新登場した。ファイザーが5月29日に発売した非小細胞肺がん治療の「ザーコリ」(一般名クリゾチニブ)。投与前に検査をして、特定の遺伝子を持つ患者だけに、使用する。これまでの抗がん剤と比べると患者数は、ぐっと少なくなるが、効果を最大限に発揮し、副作用を最小限に抑えることができる。無駄な投与が無くなる分、医療保険財政上のメリットもある。「ザーコリ」の登場を契機に、抗がん剤は将来、投与前の患者選別が、当たり前になるかもしれない。がん治療の横綱は、いまでも外科手術だ。抗がん剤の出番は、手術ができないほど進行しているか、手術後の再発で、初めて回ってくる。一部のがんを除き、抗がん剤で、がんが完治する例は少ない。いまのところ、科学的に認められている効果は、腫瘍の縮小と、数カ月の延命である。とはい ………
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