中国産人気で「コメまで国産離れ」

震災と原発禍で揺らぐ国産米信仰。安くて旨い外国産米が飛ぶように売れ出した。

2012年8月号 LIFE

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東日本大震災と原発事故をきっかけに、低価格米が品薄となるコメ不足が起きている。政府はあわてて備蓄米4万トンを放出したが、不安定な状況が続く。外食業界などでは、中国など外国産米の人気が高まってきた。農政の混迷が続けば、電気製品などと同様、「コメまで国産離れ」の日が来るかもしれない。農林水産省は6月末、備蓄していた2007~09年産の古米4万トンを主食用として入札方式でコメ卸会社などに売却した。東日本大震災は、稲作地帯の宮城県を直撃し、福島原発事故後、福島県産米の販売にもブレーキがかかった。放出4万トンは、震災と原発被害による販売減少の代替分にほぼ相当する。一定期間が過ぎた備蓄米は飼料用に放出するのが通例だけに、今回の措置は苦肉の策だった。11年産米の作況指数は「平年並み」で、計算上は供給量が需要量を上回る。しかし、生産や流通の多くの業者が手元にコメ在 ………

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