李旺陽「変死」に香港が騒然

地方の公安と「黒社会」が癒着し、厄介者を抹殺か。党指導部の権力闘争に影響も。

2012年8月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

6月6日午前6時、湖南省市の民主活動家、李旺陽(リーワンヤン)が入院先の大祥医院の病室で変死しているのが発見された。わずか3時間後の午前9時、我々香港の中国人権民主化運動情報センターは李の死亡を速報。その死には不自然さがつきまとい、他殺の可能性が高いと指摘した。香港メディアは我々の報道を引用し、李の変死に関するニュースを続々と報じた。この事件は香港市民に大きな衝撃を与えると同時に、市民たちをかつてない行動に駆り立てた。6月10日、2万5千人の香港市民が「李旺陽事件」の真相究明を求めるデモ行進を行い、中国政府の出先機関である中国駐香港聯絡弁公室(中聯弁)前に詰めかけたのだ。「一国二制度」の香港では人権団体によるデモや集会は珍しくないが、これほど多くの市民が中聯弁(すなわち中央政府)に向けて抗議の声を上げたのは初めてだ。

市民2万5千人がデモ

3月に行われた香港行政長官選 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。