2012年7月号 連載 [監査役 最後の一線 第15回]
「当社は、本日、原子力損害賠償支援機構より(中略)466億円の資金の交付を受けましたのでお知らせいたします」東京電力は5月22日、一枚のニュース・リリースを出した。それまでにも東電は、機構から8822億円の「資金交付」を受けていたが、原発事故被害者への損害賠償として支払う額がそれを上回ったため、「交付」を申請していた。東電はこのほかにも国から1200億円を受け取っているが、こちらは法律に基づく「補償金」となっている。同じおカネでも名目が違うのだ。ではいったい「交付」された資金、つまり「交付金」とは何なのだろう。東京電力が5月14日に発表した2012年3月期の決算短信にはどう記載されているのか。連結損益計算書では機構の交付金として2兆4262億円余りが「特別利益」として計上されている。また、貸借対照表(バランスシート)でも1兆7626億円余りが「未収原子力損害賠償支援機 ………
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