「陳光誠」「野田冷遇」は中国外交の大失点

「ノー」の衝動を抑えられず、傲慢な負のイメージをふりまく。人権問題での迷走も党内に波紋を呼んだ。

2012年7月号 GLOBAL

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中国の外交が袋小路にはまっている。欧米諸国とは人権、資源、軍拡などの問題をめぐって相互不信が高まり、日本、東南アジア、インドなどアジアの隣国とも不協和音が絶えない。伝統的な友好国が多いアフリカでも市民の嫌中感情が強まり、「血の同盟」と呼ばれた北朝鮮との関係さえギクシャクする始末。ここまでの閉塞状況は、1989年6月4日の天安門事件以来と言っても過言ではない。10年前に発足した胡錦涛(フーチンタオ)政権は、「平和的台頭」をスローガンに掲げ、全方位的な外交強化を通じて国際社会における中国の影響力を高めようと目論んだ。ところが、自国の権益拡大や既得権の維持は声高に主張するが、地球温暖化対策など多国間の協調が求められる問題ではイニシアチブを取ることはほとんどなく、「責任ある大国」の姿とはほど遠い。

清朝末期から進歩なし

リーマンショックで西側先進国の経済力が低下し、2010年 ………

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