「陳光誠事件」の陰で最新鋭の石油リグが稼働。南沙諸島めぐりフィリピンに揺さぶり。
2012年7月号 GLOBAL
4月下旬から5月にかけて、海外メディアの中国報道は「陳光誠(チエンクワンチヨン)事件」で持ちきりだった。山東省の農村部で自宅軟禁されていた盲目の人権活動家が、幾重もの包囲網をかいくぐって脱出し、北京の米国大使館に駆け込んだ事件だ。水面下での米中の駆け引きを経て、陳は5月19日に米国に出国した。そんななか、我々香港の中国人権民主化運動情報センターは陳光誠事件に関する情報を配信せず、メディアの取材にも沈黙を守った。その理由は、「陳は共産党の保守派に利用されたのではないか」という疑念を筆者が払拭できなかったからだ。もちろん、陳の決死の逃避行や彼を支援した人権活動家の努力を否定はしない。しかし我々の調べでは、陳に対する監視は健常者でもほとんど脱出の望みがない厳重さだった。保守派の影響下にある公安当局の意図的な「見逃し」がなければ、陳の脱出は不可能だ ………
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