小沢幹事長時代より強権的な仙谷が掻き回す電力政策は泥沼化。丸投げした野田にツケが回ってきた。
2012年6月号 POLITICS [再稼働ゴリ押しで墓穴]
大型連休明けの5月7日。首相の野田佳彦が執務室に最初に呼び込んだ民主党幹部は国会対策委員長の城島光力だった。「原子力規制庁は4月1日に発足させる予定だったのに、設置法案の審議すら始まっていない。気になっているテーマだ」野田は政治生命を懸ける社会保障・税一体改革関連法案の運びに全神経を集中させているかと思いきや、意外にも原子力規制庁設置法案の早期成立を城島に指示した。消費税問題と並び、日本経済の浮沈を左右する原子力発電所の再稼働を含む電力政策。野田は政調会長代行の仙谷由人と経済産業相の枝野幸男に丸投げしてきたが、そちらから政権基盤が危うくなりかねない雲行きで、労力を割かざるを得なくなった。5月9日。枝野は東京電力と原子力損害賠償支援機構が提出した総合特別事業計画を認定した。国は1兆円の公的資本注入を実施し、経営破綻を回避する見返りに議決権の過半 ………
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