2012年6月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
トヨタ自動車の豊田章男社長が、前任者である渡辺捷昭相談役への風当たりを強めている。もともと両者の仲がよくないのは公然の秘密。章男氏は昨年、渡辺氏を取締役副会長から、相談役に追いやってしまった。渡辺氏が経団連副会長を務めているにもかかわらず、「これ見よがしの追い出し」と、社内でも鼻白む向きが多かった。今年2月には読売新聞が、4月から現在5人の副社長が7人に増員されるという人事予想を書いた。すでにトヨタ上層部では、副社長増員を4月に行うための根回しが進んでいたが、「読売に漏らしたのは渡辺氏」と勘繰った章男社長の逆鱗に触れ、異動は6月に先送りになった。「人事権者は自分一人であることを社内に見せつけるために副社長人事を止めるなんて。幹部の士気にかかわる」と、トヨタ元役員は嘆く。また章男社長は、ここ数年、個人攻撃まがいの「トヨタ叩き」を繰り返している情 ………
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