薄失脚で中国「三権分立」論

権力闘争は「何でもあり」。今秋の党大会では、爆弾を二つ抱える後継候補の習近平が脱落し、党が割れる可能性も。

2012年5月号 GLOBAL [指導部人事が混迷]

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「中国共産党中央の決定により、重慶市党委員会書記を張(チヤン)徳江(デチヤン)同志(副首相)が兼任し、薄熙来(ボーシーライ)同志の職務を解く」3月15日午前10時、国営通信社の新華社がそう速報した。薄は今秋の共産党第18回全国代表大会(18大)で選出される中央政治局常務委員会(共産党の最高意思決定機関)の新メンバーの有力候補で、太子党(党幹部の子弟グループ)の大物政治家だった。その失脚が確認された瞬間だ。致命傷になったのが「王立軍(ワンリージユン)事件」(編集部注=薄熙来の腹心で重慶市副市長兼公安局長だった王立軍が2月2日に失脚し、4日後に四川省成都市の米総領事館に駆け込んだ事件)であることは言うまでもない。事件の真相は今も謎だらけだが、間違いなく言えるのは、薄の失脚により18大の党最高指導部人事がますます混迷の度合いを深めたことだ。次期最高指導部の ………

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