「春の嵐」欧州債務危機が再燃

スペイン国債の入札不調。中銀決済システムを通して、ドイツとの軋轢に飛び火か。

2012年5月号 BUSINESS

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「これはバツが悪い」と感じているだろうか。3月末に日本を訪れ「欧州債務危機の終息は近い」と触れ回っていたからだ。その人の名はマリオ・モンティ――イタリアの首相である。ところが、4月4日のスペイン国債入札を機に、欧州債務危機がにわかに再燃した。2020年償還の国債の利回りが5.338%と前回11年9月の入札時を0.2%上回ったほか、軒並み落札利回りが上昇(価格は下落)し、資金調達額も26億ユーロと目標下限にとどまった。スペインのルイス・デギンドス経済相は、利回り上昇という入札結果に「欧州景気が後退しかねないという投資家の警戒感の表れ」との見方を示した。スペイン、イタリアなど重債務国の国債が売り込まれたばかりではない。春先からの「リスクオン(許容)」の雰囲気に冷や水が浴びせられ、世界の株式相場が調整局面に入ってしまった。

緊縮緩めたのが「裏目」

確かに、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ド ………

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