日本郵便が不透明な「随契」乱発

元凶は日本オラクル出身の大角CIO。IT業界特有の「お仲間営業」が罷り通っている。

2012年5月号 BUSINESS

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郵便事業会社「日本郵便」が一大プロジェクトとして取り組む「次世代郵便情報システム」の調達で不透明な動きが進行している。競争入札が形骸化し、随意契約の乱発で特定ベンダーが次々と受注高を積み上げているのだ。元凶は日本オラクル出身のCIO(最高情報責任者)が頭目とされるIT業界特有の「お仲間営業」だという。

「天の声」で決まった落札者

日本郵政グループの発足以来、郵便事業会社はお荷物的存在だ。赤字体質から抜け出せず、2011年3月期には営業損失が1034億円にも上る有様だった。焦点の次世代システムの開発は日本郵便が躓くきっかけとなった統合トラブルに端を発する。同社は07年10月、日本通運との間で宅配便事業の統合をぶち上げた。が、統合劇はほどなく頓挫。一昨年7月には日通との合弁会社「JPエクスプレス」の事業を丸抱えする羽目となった。おまけに、事業承継直後に作業トラブルが頻発、34万個超のゆうパ ………

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